日本赤十字社 姫路赤十字病院
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外科>疾患別診療「大腸疾患」

大腸疾患

1.診療内容

大腸の良性(炎症性腸疾患を含む)・悪性疾患全般に幅広く治療を行っていますが、最も多いのは近年増加の著しい大腸がんの診療であります。


2.大腸癌

1.大腸がんは増えています

大腸がんは、我が国では食事の欧米化などにより近年急速に増加しています。高脂肪食による胆汁酸の組成の変化などがその一因と考えられ、悪性腫瘍による死亡数のうち、肺がん、胃がんに次いで第三位であります。国立がんセンターの推計によると2015年には大腸がんが最も多く発症するがんになると予想されています。がんのできる部位は、日本人ではS状結腸と直腸が多いです。

2.大腸がんの症状

早期がんでは症状はほとんどありません。進行に伴って便に血液が混じる(血便)ようになることがあります。長年痔を患っている人でも、がんができる場合があるので、痔からの出血と決めつけないことが大事です。また、排便回数の変化(便秘と下痢の繰り返し)や便が細くなったり腹痛などの症状がでることもあります。

3.大腸がんの診断

1)便潜血検査;早期の大腸癌では自覚症状はなく、ほとんど便潜血を契機に発見されます。便潜血検査(ヒトヘモグロビン法)は、便に目で見てもわからないような出血が潜んでいるか調べる検査で、これが陽性ですと大腸にがん、ポリープ、痔、憩室などの病気があり出血源となっている可能性がありますので精密検査が必要です。

2)注腸造影検査;肛門からバリウムと空気を注入してレントゲン撮影する検査です。

3)大腸内視鏡検査; 肛門から盲腸まで内視鏡(スコープ)を挿入して直接観察し、異常があれば大腸粘膜の一部をかじりとって顕微鏡検査で詳しく調べます(生検)。

4.大腸癌の治療

できるだけ患者さんの負担が少なく、しかも確実に治すことができるようにがんの進み具合によってさまざまな治療法が工夫されています。最も負担が少ないのは内視鏡治療です。

1)内視鏡的治療(EMR)
内視鏡で観察しポリープがあれば切除します。出血や穿孔の可能性もあるため、短期間の入院を必要とします。摘出したポリープは、病理学的(顕微鏡の)検査が重要で、粘膜内にとどまる早期がんは治療が完了ですが、病変が深くまで広がっていれば、リンパ節転移の危険性が生じるために、外科手術が必要になってきます。

2)手術療法

 
【1】結腸がんの手術
a.開腹手術

進行がんに対する基本的な術式で、リンパ節郭清(かくせい)とばれるリンパ節の切除とともに結腸切除が行われます。

b.腹腔鏡補助下手術

腹腔鏡を用いて大変小さな創(4〜7cm)でおなかの中で行う手術です。早期がんやあまり大きくなく、リンパ節転移が高度でない進行がんが適応となります。順調に回復すれば術後約7〜10日で退院できます。

 
【2】直腸がんの手術
a.肛門括約筋温存術

直腸は骨盤内の深く狭いところにあり、開腹術が基本です。従来行われてきた方法で、15cm以上の傷で開腹します。最近では、器械の進歩によりかなり肛門に近いがんでも、人工肛門を避けられる手術が可能となりました。

b.直腸切断術

肛門にごく近い部分のがんが適応になります。肛門を切除し、人工肛門(ストマ)を作ります。

c.局所切除術

早期がんに採用される手術で、開腹手術でなく、肛門からもしくは、仙骨近くの皮膚を切開して病変に到達し切除する方法です。

d. 腹腔鏡補助下手術

一部の早期がんに行われます。

e.肝・肺転移巣切除術

肝臓や肺に転移したがんでも個数が限られていれば切除することによって、治癒が望めます。積極的に切除を行っています。

f.化学療法

抗現在は主に、5-FU系、イリノテカン、MMC等の抗がん剤を使用しています。肝臓に転移がある場合は、肝動注療法と呼ばれる肝動脈から抗がん剤を注入する治療を行う場合もあります。

g.放射線療法

直腸がんのうち、切除できないもの、局所再発したものに行われる場合がほとんどです。

 

大腸癌の手術実績(過去10年間)
  1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
結腸がん 51 54 47 46 61 62 63 66 96 82 629

直腸がん

30 23 29 28 44 36 47 39 55 43 375

腹腔鏡手術

4 11 10 6 8 12 14 19 19 18 121
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