日本赤十字社 姫路赤十字病院
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姫路赤十字病院

内科>疾患別診療「膠原病」

膠原病

1.膠原病とは

「膠原病」は「自己免疫疾患」という病気の仲間です。癌や感染症とは異なります。本来、免疫反応とは細菌など外敵を排除して身体を守るための生体防御反応です。しかし何らかの原因で、自分自身の成分に対して過剰な免疫反応が起これば、身体に害を及ぼし、自己免疫疾患と呼ばれる病気になります。異常な自己免疫反応が起こる場所は、主に「結合組織」と呼ばれるコラーゲン・血管であるため、関節、筋肉、皮膚、腎臓、肺、神経などの慢性炎症による全身臓器障害を来たします。膠原病の症状は発熱、全身倦怠感などの全身症状のほか、関節痛、筋肉痛、皮疹、レイノー現象など多彩な症状がみられます。関節、筋肉、骨、靱帯、腱などの運動器の疼痛とこわばりを有する病気はリウマチ性疾患と総称されますので、膠原病は「リウマチ性疾患」の仲間とも言えます。まとめると「膠原病とは原因不明に全身の様々な結合組織に自己免疫反応が起こり、その炎症が持続するために組織が障害され、臓器障害に応じた多彩な症状を呈する病気の総称」と説明できます。

「膠原病」は正式な病名ではなく、「関節リウマチ」「全身性エリテマトーデス」「多発性筋炎・皮膚筋炎」「強皮症」「顕微鏡的多発血管炎」など、上の条件を満たす病気の総称です。それぞれの病気によって、異常な自己免疫反応を起こす場所が異なりますので、その臓器障害に応じて症状も異なります。


2.膠原病の診断

不明熱、多関節痛、筋肉痛・筋力低下、皮疹、レイノー現象などの症状は膠原病を疑う5大症状です。ただし実際には、これら症状は膠原病以外の病気で起こることの方が圧倒的に多いため、まずはかかりつけ医への受診が勧められます。

かかりつけ医での検査(あるいは検診)にて、自己抗体陽性、血球減少、炎症反応陽性、高γ-グロブリン血症、間質性肺炎、腎障害などの膠原病を疑う検査異常が発見され、「膠原病を疑う症状と検査異常」が「原因不明」かつ「持続」すれば膠原病を疑って専門病院への紹介受診が勧められます。

専門病院では、症状、身体所見、検査異常から膠原病の可能性について判断し、必要な検査や各科紹介を行った上で、診断基準に照らし合わせて総合的に診断します。膠原病は全身疾患であるため、必要に応じて全身の精密検査を併せて行い、治療を要する臓器障害の有無を調べます。

3.膠原病の治療と予後

膠原病の治療において、診断された「病名」だけではなく、「臓器障害の程度」が重要です。どの臓器にどの程度の障害があるかで治療方針が決まります。治療の基本は、関節リウマチでは「抗リウマチ薬」ですが、その他の膠原病では「ステロイド薬」です。治療対象となる臓器障害がない場合には、診断されてもその時点では治療対象とならないことがあります。使用するステロイド薬の量は、臓器障害の種類と程度によって決まります。臓器障害が強く高用量のステロイド治療を要する場合には入院治療を行います。膠原病治療の基本的な考え方としては、初期に十分な量のステロイド薬を使用して、異常な免疫反応と炎症を抑えることが重要です。必要に応じて免疫抑制剤を併用することでステロイドの効果を助けます。病状が安定すればステロイド薬を維持量にまでゆっくり減量します。多くの膠原病は、治療の中止により再燃しますので、継続治療が必要です。治療が長期になりますので、病気と薬の正しい理解と日常生活の工夫が大切です。

近年の医療の進歩により、一部の難治性病態を除き、膠原病の治療法と予後は大きく改善しています。

4.姫路赤十字病院における膠原病治療

整形外科では関節リウマチを中心に幅広いリウマチ性疾患を診療し、内科(膠原病科)では関節リウマチおよびその他の膠原病を総合的に診断治療しています。

内科(膠原病科)には現在約300-350名の膠原病患者さんが定期的に外来受診しています。また、1年間に約300名の新患が「膠原病疑い」として紹介受診され、そのうち、約20名の関節リウマチを含む約100名の膠原病・膠原病類縁疾患が新規に診断治療されています。整形外科ではさらに多くの関節リウマチ患者さんを生物製剤も積極的に取り入れて診療しており、姫路赤十字病院では内科と整形外科との連携にてリウマチ・膠原病診療を行っています。

近年、チーム医療や病診連携が強調されています。膠原病は単一の臓器疾患ではなく全身疾患であり、全身臓器を正しく評価するため、必要に応じて皮膚科、整形外科、眼科、腎臓内科、循環器内科など他科にも受診していただく場合があります。治療方針が決定し、初期治療を行った上で、病状が安定した患者さんはかかりつけ医(病状によっては専門医)に逆紹介するなど病診連携を積極的に行っています。

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